作品基本情報 [事務局独自調査]
クモトチュウリップ
くもと ちゅうりっぷ
- ■公開メディア
- 劇場
- ■原作メディア
- アニメオリジナル
- ■公開日
- 1943年04月15日 ~ 0000年01月01日
- ■配給会社
- 映画配給社
- ■分数
- 16分
- ■話数
- 1話
- ■原作
- 横山美智子
- ■監督
- 政岡憲三
- ■制作
- 松竹株式会社
松竹動画研究所
作品詳細情報
■ストーリー
可愛いテントウ虫のお嬢さんは「てんてんてんとう虫、おてんとうさまの子・・・」と唄いながら夏の日を謳歌している。カンカン帽をかぶりながら白いマフラーをした伊達男のクモが得意のノドで、ハンモックにのらないかと誘うがお嬢さんその手にのらない。クモはしつこく迫って来るので、お嬢さん逃げるが、まだ追ってくる。こわくなったテントウ虫はチュウリップの花のおばさんにかくまってもらう。チュウリップは花びらを閉じる。追ってきたクモは誘惑が失敗したのに腹を立て得意の糸投げ縄でチュウリップをグルグル巻きにしてしまう。一方、雲の上では雷たちが遊んでいて嵐を起こす。夜半暴風雨となり、クモは強風に吹き飛ばされそうになる。最初は糸を木の枝に巻き付け頑張ったがとうとう吹き飛ばされる。風に流されながらもミノ虫の家を奪って頭からかぶり傘かわりのするギャグもある。最後は降りしきる雨の中を風と共に池へ落ちて沈んでしまう。翌朝、昨夜の強風で大半の花々は倒れ花びらも散っていたがクモの糸で巻かれたチュウリップは健在で、出てきたテントウ虫は明るい太陽を浴びて嬉しそうに歌を唄う。
出典:日本アニメーション映画史P230
■解説
原作は朝日新聞の懸賞小説に「緑の地平線」が当選して作家になった横山美智子の「よい子つよい子」の童話集の1編。テントウ虫の唄を唄ったのはビクターの童謡歌手の杉山美子。新興映画の子役としても活躍、のち大女優となる。クモ役は藤原歌劇団のバス歌手の村尾護郎。プレ・スコによる作画システムで製作。音楽は弘田竜太郎指揮による松竹交響楽団で80何名というオーケストラは日本動画では最初といわれる。この映画の動画家は延べ人員では568名に達したそうだ。松竹京都作品「家」(監督・倉谷勇)に併映、白系で公開された。
出典:日本アニメーション映画史P230
■メインスタッフ
・脚色・演出/政岡憲三
・企画/熊木喜一郎
・原作・作詞/横山美智子
・作曲・指揮/弘田龍太郎
・唄/村尾護郎、杉山美子
・演奏/松竹交響樂團
・録音/東亜発声株式会社
・動画/桑田良太郎、熊川正雄、土井研二、山本三郎、木村阿弥子
・背景/村上博彬、岡本庚、
・編集/木村祥
・撮影補助/本庄吉雄