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作品基本情報 [事務局独自調査]

モンキーターン

モンキーターン

■公開メディア
TVアニメシリーズ
■原作メディア
漫画
■放送期間
2004年01月10日 ~ 2004年06月26日
テレビ東京 2004年1月10日~2004年6月26日(1回~25回)毎週土曜 24:55~25:25
■放送局
テレビ東京
■分数
30分
■話数
25話
■原作
河合克敏
■監督
秋山勝仁
■制作
・アニメーション制作/オー・エル・エム
・アニメーション制作協力/AIC
・制作/モンキーターンプロジェクト(VAP・東京財団・バンダイ・OLM・小学館プロダクション)
・製作/テレビ東京、オー・エル・エム
■著作
©河合克敏・小学館/モンキーターンプロジェクト・テレビ東京

作品詳細情報

■ストーリー

子供の頃からプロ野球選手になることが夢だった波多野憲二。そして高校3年の夏、高校球児として甲子園出場を目指し地区大会で戦っている憲二がいた。9回裏、打順はこの試合3安打の波多野憲二。一気に逆転のチャンス。しかし監督のサインは憲二の打ち気に反してスクイズ!!。しかしこれは相手バッテリーに読まれてサードランナーは本塁上でタッチ、2アウト。その後、憲二は球を芯に捕らえるも外野フライでゲームセット~夏の甲子園大会、東東京地区予選・3回戦敗退という苦い高校生活を送った。
しかし野球部の監督であり、担任の筒井は、そんな憲二に違う才能を見出していた。そしてある日、以前の筒井の教え子でプロ・ボートレーサーの萩原麻琴に憲二を会わせることを画策して…。

■解説

「週刊少年サンデー」(小学館刊)連載中の大人気コミックをアニメ化!
レースシーンはフルCG表現!CGならではの水しぶき等の描画に注目!

モンキーターンとは、競艇においてボートを全速で旋回させる華麗で高度なテクニック。
主人公・波多野憲ニはそのモンキーターンに衝撃を受け、競艇選手になることを決意する。実在する競艇選手の研修所・全国のレース場を舞台に同期のライバル洞口雄大や女子レーサー青島優子とともに、超激しく鬼ガンコな師匠のもと、日本一のレーサーを目指し、様々な難関を乗り越えていく。

■キャスト

・波多野憲二/川島得愛
・生方 澄/野田順子
・城ヶ崎ありさ/根谷美智子
・青島優子/高野直子
・洞口雄大/間島淳司
・洞口武雄/青野武
・古池勘一/麦人
・萩原麻琴/岡村明美
・岸本 寛/私市淳
・小林瑞木/豊嶋真千子

■メインスタッフ

・原作/河合克敏(小学館「週刊少年サンデー」連載)
・企画/大島満
・監督/秋山勝仁
・シリーズ構成/冨岡淳広
・キャラクターデザイン/奥田淳
・メカデザイン/桐生みさき
・美術監督/高橋麻穂
・色彩設定/大内綾
・撮影監督/中島秀剛
・編集/右山章太
・音響監督/渡辺淳
・音響制作/HALF H・P STUDIO
・音楽/池田大介
・音楽制作/ZET
・音楽プロデュース/GIZA studio
・音楽協力/テレビ東京ミュージック
・アニメーション制作/OLM
・アニメーションプロデューサー/福家日左夫
・アニメーション制作協力/AIC
・3DCGプロデューサー/近藤潤
・3DCGアニメーション制作協力/OLM Digital
・OPED絵コンテ、演出/宮尾佳和
・OPED作画監督/奥田淳
・オープニング原画/越智博之、中屋了
・エンディング原画/日下部智津子
・前期OPモーショングラフィック/柴田寛之
・前期2ndEDイラストレーション/田中俊成
・プロデューサー/紅谷佳和、芝原靖史
・企画協力/週刊少年サンデー編集部、小学館キャラクター事業センター
・原案協力/都築伸一郎、三上信一、縄田正樹、近藤秀峰
・プロジェクトスーパーバイザー/野崎裕司、久保雅一
・特別協力/東京財団、全国モーターボート競走会連合会、競艇広報センター
・ゼネラルプロデューサー/沢辺伸政
・アソシエイトプロデューサー/岡本順哉、竹内雅紀
・モンキーターンプロジェクト/植田泰生、日下公人、鵜之澤伸、安斎進、奥野敏聡
・製作/テレビ東京、OLM
・制作/モンキーターンプロジェクト(VAP、東京財団、バンダイ、OLM、小学館プロダクション)

■メインキャラクタ

・波多野憲二(はたのけんじ)
「モンキーターン」主人公。はじめて見たモンキーターンに驚き、はじめて乗ったペアボートで面白さを体感してプロ・ボートレーサーになることを決意。やまと競艇学校に入学し1年2ヶ月の研修期間の末、プロレーサーになる。生まれつきの運動センスと負けず嫌いな性格をいかして「日本一のレーサー」を目指す。明るい性格で周りの人をいつの間にか惹きつけている。また女の子も大好きなナンパでもある。
・生方 澄(うぶかたすみ)
憲二の幼なじみで恋人(?)。憲二の家のお隣さん。おまけに窓の向こうは憲二の部屋だ。競艇場にありさと共に応援に来たり、メットをプレゼントしたりとかいがいしい女の子。言葉は少なくても芯のしっかりした女の子。
・城ヶ崎ありさ(じょうがさきありさ)
憲二の家のお向かいさんであり友人。気付けば競艇に異様に詳しくなっている。何ごとにも動じないが、憲二と澄の仲を見守っている(?)。憲二いわく「謎の生き物」。
・青島優子(あおしまゆうこ)
憲二と同じやまと競艇学校の82期生。研修期間中に父親を亡くし、一家を支えて行くことを心に決めている。憲二とは競艇学校に向かう途中、印象的な出会いがあり、またいつも前向きな憲二に魅かれていく。
・洞口雄大(どうぐちたけひろ)
82期ではトップの成績をもつ。憲二の同期でライバルにして、超強豪レーサー「愛知の巨人」こと洞口武雄の息子。普段は冷静だが、こと父親の話題になると嫌悪感を見せる。その父親とは確執(?)のためかあまり親子の会話もないようだ。
・洞口武雄(どうぐちたけお)
SG優勝10回を誇る、超怒級のベテランレーサーにして波多野憲二のライバル・洞口雄大の父親。「愛知の巨人」の異名を持つ。生涯獲得賞金は13億ぐらい。勝負にかける執念も人並みはずれている、そのためグループを作ることの多い今日の競艇界でも一匹狼で行動しているようだ。
・古池勘一(こいけかんいち)
A1級の超ベテラン競艇選手。性格はガンコ。趣味で少年野球の監督をしている。過去に弟子を事故で引退に追いやってしまった負い目を感じそれ以来弟子は取っていないが…。
・萩原麻琴(はぎわらまこと)
憲二を競艇の世界に向かわせるきっかけになった憲二の高校のOG。女子レーサーでは上位のランクのプロ・ボートレーサー。
・岸本 寛(きしもとひろし)
ニックネームは「純」。これは某ドラマのキャストに似ているという事からついた。憲二と同期の82期生で初期D班の一人。気弱な印象だが、コツコツと努力し着実に力をつけている。小さい頃からの競艇ファンのようだ。
・小林瑞木(こばやしみずき)
第82期の同期生で初期D班の一人。学科は得意であるが、旋回は苦手。波多野憲二に競艇学校で唯一ひとりになれる秘密の場所をおしえた。

■メインロボ・アイテム

・モンキーターン
競艇での旋回のとき、艇内で立ち上がり体重移動を行なうことで、旋回半径を小さくスピードを落とさずに行なうターンのことヨ。このときの背中を丸めた乗艇姿勢が競馬の騎手のモンキー乗りに似ていることからこの名称がついたといわれているの。 平成5年頃からレースで主流になったけど、基礎が身についていないと危険だから本栖時代の研修ではなかったのね。現在の研修訓練内容にはモンキーターンも含まれているわよ。
・競艇学校
「モンキーターン」原作連載スタート時点では山梨県本栖研修所だったけど、平成13年(2001年/88期)3月から選手養成が行われているのが福岡県にある全国モーターボート競走会連合会 「やまと競艇学校」よ。研修期間も本栖時代の1年2ヶ月から現在のやまとでは1年間と変更されているようね。選手・審判員・検査員とも、ここで1年間厳しい訓練を受けることになるの。(アニメ「モンキーターン」では、やまと競艇学校で1年2ヶ月の養成期間という設定になっているわ。)
・フライングスタート
競艇独特のスタート方法。助走距離や風、波の影響からスタートラインに横一線に並ぶことが難しい競艇では(一般的な競技の様な定位置から「用意・ドン」で出るスタートとは違い、)決められた時間内にスタートラインを通過する「フライングスタート方式」が採用されているの。各選手がタイミングをとって、大時計が0秒から1秒を指す間にスタートラインを通過するというものヨ。大時計が0秒から1秒を指す間より少しでも早くラインを超えてしまった場合はF(フライング)、1秒を指した後からスタートした場合はL(出遅れ)と言って欠場となるワ。早い話が超むずかしいのよ。フライングスタートではスタート能力も選手の実力次第であり、公平なスタート方法といえるわネ。
・ターンマーク
ボートを旋回させる地点の目印にある赤と白で塗られたトンガリ帽子のようなブイのことね。これをターンマークというの。第1ターンマーク、第2ターンマークとあり、この2つの距離は300m。レースではスタート後それぞれのマークを3回ずつターンするのよ。
・レース
1周600メートルの距離を3周、6艇のボートでゴールを競うの。選手のユニフォームやボートの旗の色は、1号艇=白、2号艇=黒、3号艇=赤、4号艇=青、5号艇=黄、6号艇=緑、と決められているわ。
・A1級(レーサー)
競艇選手にはランクがあるのよ、その最上位ランクがA1級ね。全ての選手のうちの上位20%しかなれないわ。ビッグレースに出られるのは、原則としてこのA1級の選手だけ。競艇の選手は6ヶ月間の成績(勝率、複勝率、事故率、出場回数)に応じて、上からA1級、A2級、B1級、B2級の4つのランクに分けられているのよ。(その比率は、全選手に対してA1級=20%、A2級=20%、B1級=50%、B2級=10%となっているわ。)ランクが上がると出場日数や格の高いレースの出場の機会にも恵まれるから、選手の誰もがA1級を目指しているわね。やまとを卒業したばかりの波多野憲二の場合はB2級と言うことになるワ。
・SG
スペシャルグレード。選手にランク付けがあるように、レースにもグレードがあり、その最高峰のことね。全選手の目標といえるワ。一般戦、GIII、GII、GI、のさらに上の格付けのレースのことよ。総理大臣杯、笹川賞、グランドチャンピオン決定戦、オーシャンカップ、モーターボート記念、全日本選手権、賞金王、競艇王チャレンジカップ競走、の8つがあるわ。
・元、D班
やまと82期での波多野憲二、岸本寛、小林瑞木、河野一実、三船正義そして勝木景虎の6人のことよ。 競艇学校では班別試験で学科、操艇技術、整備等の習得状況に応じて分けられるのよ。通常A、B、Cで分けられるようだけど、波多野たちは最も成績が悪いD班になっていたわ。次にまたDになると即退所というギリギリの状況からそれぞれの得意な事でカバーしあいD班を脱したのよ。(山崎の「落ちこぼれD班」発言に対しての瑞木のことばね。)
・優出(ゆうしゅつ)
優勝戦に進出することを「優出する」と言うのよ。
・準優(じゅんゆう)
準優勝戦のことね。
・カド位置
スタートの時、スタートラインに対して、いったん後ろに引いてから思い切り助走してスタートする艇(大体、センターからアウトコース)のうち、一番内側のコースのことね。
・モーター
排気量約400cc(396.9cc)、水冷2サイクル2気筒、最高速度80kmというモーターを各艇は搭載しているのよ。ボートに取り付けられるモーターは、ある意味では競艇の主役とも言える存在だわ。競艇場には60機くらいのモーターが用意されていて、どの選手がどのモーターを使うかは節ごとに抽選で決めるのよ。各モーターが使われるのは1年間限りね。
・ダンプ
先行艇の隙間を強引に割り込み、自分から艇にぶつかって相手を外にはじき飛ばして自分はコーナーをクリアして行く戦法のことよ。最近は航法違反として反則を厳しく取るようになってきたらしいわ。
・転覆王(てんぷくおう)=ドボンキング
やまと82期の波多野憲二のあだ名。しかしこれは常に自分の技術の限界ギリギリまで試していたことの証しとも考えられるわね。波多野らしいといえば、らしい呼び名だわ。
・前付け
スタートのコース取りの時に、外枠の艇が大きく回り込んで他の艇の前につけ、インコースをとろうとすることよ。前づけでインコースを取ると、スタートライン寄りに位置する事になるからスタートラインに向かう時の助走はどうしても短くなるわ。
・「スタートラインは見えないのよ」
水の上には線は引けないわよね、だからスタートラインはセンターポールと大時計の間を結んだ仮想ラインということになるわ。
・大時計
正式名称は「発走信号用時計」。どの競艇場にも必ずあり、レースの要となるのがこの大時計ね。スタンド中央の水面寄りに設置されていて、直径も3m以上と決まっているのよ。スタート2分前を知らせる2分前表示灯と、1回転1分の白針、1回転12秒の黄針があるわ。これを見て選手はスタートタイミングを計っているのよね。もちろん大時計は正確さが必要だから、検査では1/1000秒という単位で誤差をはかっているそうよ。現在の大時計は、表裏を反転して両面が使用できる構造(大時計のケースの中に2つの機械が組み込まれている)になっていて、万一通常使用している表側にトラブルがおきても、裏に返して使用できるようになっているみたいよ。
・イン逃げ
一番内側のコースを取り、第1ターンマークをトップで施回して逃げる操法、レース展開のことね。
・差し
内側の艇を先にターンさせて、外側からその内側に切り込んで行くターンのことよ。最もテクニックを必要とし、ベテランが多様する戦法だわね。若手でもレース展開次第では使うこともあるわ。
・「青島さんは47キロ」
同じ性能のモーターと同じ規格のボートで競走するとなれば、選手の体重は軽い方が有利になるわね。ただし、選手の体重には男子は最低体重50kg、女子は47kgという規定があって、あまり軽すぎても不足した重さを調整して乗らなくていけない。だから青島さんの体重のことじゃないわ。青島さんはあんなにちっちゃいから重さを調整していると思うわよ。
・引き波
艇が走ったあとに起こる波のことよ。ここにハマると推進力を殺されたり、艇を操縦しにくくなるわ。良いモーターは、この引き波なんか越えていくのよ。
・バウ
艇の船首部分のことよ。先端は人身事故防止のため合成ゴムでできているソフトバウになっているわ。
・水神祭(すいじんさい)
その選手が初めて1着になったとき、これを祝して(?)他の選手たちから競走水面にほうり込まれるという儀式のことよ。やまとでは卒業レースのあとで1着と言わず優勝戦のメンバーがよく放り込まれているわ。これは卒業の喜びね。
・前検(前検日)
レースの開催日の前日までに選手は競艇場内で受付を完了させ、モーターとボートの抽選、スタート練習などを行っているのよ。これを前検日と言うのよ。
・モーター抽選
競艇ではエンジンの事をモーターと呼ぶけれど、モーターは競艇場で全選手同じメーカーのものが貸出され、抽選で使用するモーターを決めるのよ。
・2連対率(にれんたいりつ)
1着・2着でゴールした回数を出走回数で割った数字のことよ。この数字が大きいということはすなわちレースに勝てる可能性がそれだけ大きいということね。
・平和島のオバケモーター
2連対率61%を誇る好勝率45号機のことよ。
・超抜機(ちょうばつき)
絶好調のモーターのことよ。多分「超抜群」からきているのね。
・82期のチャンピオン
卒業記念レースで優勝した波多野のことよ。
・宿舎
競艇選手は前検日から最終日までレース場近くの専用宿舎に宿泊し、一般の人とは会うことは出来ないのよ。
・56才
古池さんの年齢ね。実際の選手でも60代で現役という人がいるのよ、競艇という競技には。
・スタート展示
スタート展示というのは、ピット離れから進入、スタート、第1ターンマーク旋回までを想定した、レースの予行演習のことよ。競艇ではピットを飛び出した6艇が、順番にコースに入るわけではなく、選手が自由に好きなコースを選択できるのよ。スタート展示では、インかアウトか、自分の得意なコースや、有利なコースをとろうとするスタート前の駆け引きがあるわけね。
・展示航走
レース前に出走する各選手が、ボートやモーターの調子を見てもらうために、全速力でコースを2周する、これが展示航走よ。展示航走を見るポイントは1マークのターン。ターンマークのキワをどのようにターンをできているか、ターンが終わってから伸びていくかなどを見抜き、良し悪しを見分けるのね。
・ドボンキング
転覆が多い波多野憲二のことね。同義語は転覆王よ。
・マクリ
2コースより外側の選手が、自分より内側のコースの選手を押さえ込む形で、ターンマークを先に回ってしまう走り方のことよ。若手やアウトコースの得意な選手がよく使う戦法ね。
・バックストレッチ
競走水面の中で、2つのターンマークを軸にして正面スタンドの反対側のストレートを「バックストレッチ」と呼ぶのよ。
・「シリンダーの内径を計れ」
シリンダーの中を激しく往復運動するピストンは、熱膨張があるため完全な円形ではなく楕円形になっているのよ。だからオバケモーター45号機のピン方向は65.8ミリ、側圧方向は65.95ミリと波多野が言ったのね。
・レース(その2)
競艇は1日のうちに第1レースから12レースまで、12回も行なっているのよ。場合によっては11レースまでの時もあるけれど、大体は12回。予選、準優勝戦、優勝戦とあって、4~6日で開催されるわ。
・優勝戦
予選は、ひとりの選手が5~6回走ってポイントがつき、合計ポイントを出走回数で割る。そして、この得点の高い選手が準優勝戦および優勝戦に進出できるのよ。予選を勝ち抜いたポイント上位の18名(一般的に)によるレースが準優勝戦で、さらにこの中の1、2着が優勝戦に進むということになるのね。
・「あんなに悪いモーター」
古池勘一が平和島でのレースで引いた44号機のことを言っているのね。抽選時の2連対率が16.8%なんていう5回に1回も1、2着に入れないモーターだわね。
・SG・記念クラスの人
SG戦や記念競走などの格の高いレースへ出場できるランク・条件をもつ選手のことね。
・プロペラ
通称・ペラ。ボートを推進させるためのスクリューで、モーターに取り付けられる2枚羽プロペラのことよ。競艇ではプロペラの良し悪しが成績を大きく左右するわ。平成元年から各選手が自分で所有する「持ちペラ制」というものになり、選手は5枚まで競艇場に持ち込むことができるのよ。ハンマーで叩いて曲げたり、ヤスリで削れるほど柔らかいわ。だからバーナーで加熱すれば加工が可能なのよ。選手は水面状況に合わせて納得のいくように調整しているのね。
・ペラグループ
競艇選手はある程度同じような年齢の人たちが集まってグループを組んだりしているのよ。全国の競艇場に合わせてレースに勝てるプロペラを創り出すのは簡単じゃないわ。だからグループを組んだメンバーで情報交換をしたりして効率的にプロペラを創り出しているようね。
・弟子
ペラグループとは少し違うけれど未熟な新人が経験豊富なベテランと組んで師弟関係になることもあるのよ。古池さんに対する波多野がそうね。
・「プロに入るのが夢でした」
波多野憲二は子供の頃から野球が好きで、上馬高校でも高校球児として地区大会に出ていたわ。そしてプロ野球で活躍するのが夢だったのよ、自分のミスで負けてしまうまでは…。
・「惚れた人に会いに」
弟子にさせてもらうために古池さんの自宅に押しかけている最中、妹のかんなが冗談交じりに澄ちゃんに言った言葉ね。もちろん惚れた人とは古池さんのことよ。
・少年野球の監督
波多野が弟子にさせて欲しいとお願いしているベテランレーサーの古池さんは趣味で近所の子供たちの野球チームの監督をしているのよ。
・古池の事故
昔、古池さんは弟子だった小津選手とレース中に衝突するということがあったらしい。その衝突事故がきっかけで、その小津選手は引退を余儀なくされてしまったらしいわ。それ以来、古池さんは弟子はとらなくなったのね。
・連にからむ
レースで1着または2着になることよ。
・河川を使用
江戸川競艇場の水面は一級河川(中川・荒川)を使用している全国唯ひとつの競艇場なのよ。第1ターンマークが上流側になっているわ。波は起こるし、水は流れるわ、で新人に取っちゃこの上ない難水面となっているのよ。このように河川や湖の一角、あるいは専用のプールを設けた競艇場は淡水となり、淡水の競走面の方が、海を区切って造った競艇場の海水の競走面よりも硬いといわれているわ。
・一般戦
SGからG3までのランク付けがないレースのことよ。出場選手に制限がないから、実力差が大きいレースになることが多いようね。
・ゴンロク
5着、6着ばかりになってしまうことをこう言うのよ。またそう言う選手のことね。これと同じようなことばで「ピンロク」と言うのがあるけれど、これは1着か6着か、という両極端なタイプの選手ね。勝つ時はダントツなのに、負ける時は惨敗で、2着や3着にならない、というタイプの選手をこう呼んだりするのよ。
・ツケマイ
外側の選手が自分より内側の選手を押さえ込む戦法のことよ。内側の選手にピッタリと艇をつけて、ターンのスピードやパワーで強引に押さえつけ外側から全速力でかわしていくのよ。ちなみに関西では「回る」ことを「まう」といい、「付けてまう」の言葉が変化してできたのが「ツケマイ」よ。
・新鋭リーグ戦
G3に格付けされるレースよ。登録6年未満の新人による競走ね。年間に20戦前後が各地で開催されて、成績上位者が次年度の1月に開催される新鋭王座決定戦(G1)に出場できるのよ。波多野のライバル・洞口雄大はすでに3回目の出場らしいわね。波多野は今回桐生で行われる新鋭リーグ戦が初めての出場になるわ。
・デビュー期
やまと競艇学校を卒業しプロになって最初の半年に当たる期のことね。
・前期勝率
競艇では選手の級別(B2、B1、A2、A1)を決めるための審査対象となる期間と基準が設けられているのよ。級別審査の対象期間は毎年2回。前期は5月1日~10月31日となっていて、この期間の勝率のことね。ちなみに後期は11月1日~4月30日。級別審査は勝率、複勝率、事故率などを基準に決められるわ。勝率は着順点の合計を出走回数で割ったものね。一般競走の着順点は1着が10点、2着が8点、以下6、4、2、1点というのが一般的ね。勝率の数字は大きいほどよいのよ。
・事故率
競艇で言う事故と言うのは、スタート時のフライング、出遅れ、競走中の妨害などによる反則失格や転覆などのことよ。事故率は、F(フライング)と出遅れが20点、反則失格(妨害など)が15点、転覆、落水、沈没、不完走、欠場など選手責任の失格が10点として事故点の合計を出し、出走回数で割った数字。当然、事故率の数字は少ない方がよいにきまってるわね。
・昇格
デビュー期の波多野は勝率4.99という新人にしてはよい成績を残していたわ、勝率はとても良いけれど、ドボンキングの波多野は5回も転覆したから級別審査に通らずに昇格できなかったのね。ちなみに実際の競艇で2003年5月がデビュー期となった選手の平均勝率は2.49となっているわ。ここだけみると波多野の勝率はとても優秀ということね。さらに付け加えるなら、波多野のモデルといわれている濱野谷憲吾選手の2003年前期の勝率は8.34よ。
・「あり得る」
波多野が前期勝率が良いにもかかわらず、転覆による事故率オーバーでB1級への昇格ができなかった事に対しての桐生新鋭リーグ戦での洞口雄大のセリフね。
・「直線で伸びそうな形」
桐生新鋭リーグ戦に波多野が持ってきたプロペラを見た岡泉・潮崎がつぶやいた言葉よ。一般にプロペラをひねり、ピッチ(ねじれ)を大きくするとモーターの回転が下がり伸びがよくなるのよ。反対にプロペラのピッチを小さくすることを「プロペラをひらく」といって、こうすると回転があがり出足が良くなる。しかし実際にはこんな単純なことではないようね。これはあくまで基本と言うことよ。
・ピット
競艇でいうピットというのは、水面上でモーターボートを係留しておく場所のことよ。レースのときも出走する6つのボートはピットで待機していて、レース開始の合図とともにピットから発進するのよ。
・ピット離れ
ピットに待機しているボートが、出走の合図とともに発進する時のことをこう言うわ。素早く発進できることを「ピット離れがいい」と言う。ピット離れが悪い(遅い)と、好きなコースや有利なコースが取りづらいというわけね。
・マクリ差し
「マクリ」のような動きで外側からターンに入り、まくると見せかけて、素早く内側に切り込み「差す」というマクリと差しを複合させた戦法のことよ。内側の艇の抵抗をさける場合や、「マクリ」の選手がそろっているときによく使われるわね。一瞬の判断力が要求され、非常に高度なテクニックよ。
・赤城おろし
群馬県の赤城山から吹き下ろす冬に吹く風のことよ。この赤城おろしのために桐生競艇場では波高が20cmにもなることがあるらしいわ、河川を利用した江戸川競艇場並みね。群馬では「かかあ天下とからっ風」というように、地元ではからっ風と言うことのほうが多いようね。
・スーパーピット離れ
岡泉の得意としている技ね。レース中だと「キャビる」といって不利なことだけれど、意図的にモーターを空転(高回転)させ、発進時にプロペラが高回転となり初速を上げていると言うことかしら。
・進入
全艇がコース取りをほぼ終え、スタートラインに向かう状態のことよ。ピットでは6艇が枠の順番に並んでいるけれど、ピットを離れると同時に各艇は自分の好きなコースを取り合うのよ。そのコースに入る時のことを「進入」または「進入コース」というわ。通常はインが有利とされているのよね。
・スリット
そのまま訳すと隙間ということなのよね、でも競艇ではスタート時(ゴールも)に正常にスタートできているか判定するために写真が写されていて、この写真をスリット写真というのよ。スリットラインというのはスタートラインと同義語ね。
・スタートタイミング
大時計の針が0秒を指してから何秒後にボートの先端がスタートラインを通過したかという数字のことよ。スタートタイミングが0.01秒なら「01」というのよ。すべての選手の平均は0.23秒くらいよ。スタートタイミングが0.19秒以下なら早い方、逆に0.25秒以上なら遅い方と言われているわ。ちなみに0.15秒は1艇身くらいの目安。時速80km/hのボートなら0.01秒の差は22cmの差と言うことになるわね。
・引き波(その2)
モーターでプロペラを回し、水を掴んで後ろに押し出すことで前に進むボートが作り出した航跡を『引き波』と呼ぶことは前にも話したわね。この引き波に他の艇が入ると「プロペラの空転」(キャビテーションという)が起きるのよ。プロペラが空転するということは、その分だけ推進力が下がり、ボート自体のスピードが落ちることになるわ。競艇ではこれをうまく利用して他の艇を引きはなすのよ。
・レバーを落として回る
競艇独特の言い回しで、「レバーを放る」と言うのもあるわ。レバーはスロットルレバーのこと。スロットルレバーを握るとモーターの回転があがりスピードが出て、レバーを放すと速度が落ちると言うことね。自動車でアクセルを踏むのと同じことよ。画面では2本見えているけれど、そのうち手のひら側(指先ではない方)だけが動くわ。レバーをロックするボタンがある方ね。でもこのロックボタンはモーター始動や調整時だけでレース中は使わないわ。
・斡旋(あっせん)
選手がどの競艇場でいつ走るかを決める事よ。このあっせんがあって選手はレースを行えると言うわけね。
・唐津
佐賀県の北西部に位置する唐津のコースは静水面で淡水、日本一を誇る競走水面なのよ。ピットから第2ターンマークまでの距離が178m。コース取りはピット離れの善し悪しで大きく左右されるわ。年間を通じて6・7割が追い風となる水面のようね。追い風が吹くとインが極端に強いわ。向かい風に変わると一転してインがつぶれ、センターからのまくりや差しが決まる水面に早変わりするのよ。それだけに選手は風との戦いを強いられる水面だわ。
・回転計
回転計はモーターの回転数を計るもので、調整用として使用されるのよ。競艇のボートには車などのように「走行速度」や「回転数」を示すものが一切ついていないのね。そこで選手はこの回転計を使って、自分のモーターの回転がどのくらい上がっているかを調べるのよ。計測した数値を参考にしながら、その時の天候状態などに合う最も理想的な「回転数」になるように整備や調整を行うわけね。ちなみに回転計を用いる時は実際に走行している時ではなく、ピットに係留した状態で行うわ。つまりレース中は取り付けていないのよ。
・期の初め
競艇では1年を前期と後期にわけているのよ。『前期』が「5月1日から10月31日」、『後期』が「11月1日から4月30日」となっているわ。この前期・後期での最初のレースのことね。
・アジャスト
本来は「調節」という意味ね。競艇ではボートを操縦する時にスロットルレバーを握ったり放ったり調整することを言うのよ。特にスタートの時に使われる言葉で、フライングになりそうな時にレバーを放ることを「アジャストする」などと言うわ。
・スタートタイミング「0.41」
7話のところでも書いていたけれど、競艇のすべての選手の平均は0.23秒くらいで、スタートタイミングが0.19秒以下なら早い方、逆に0.25秒以上なら遅い方と言われているから、この波多野の0.41というのは超ド遅めのスタートtということね。
・勝負駆け(しょうぶがけ)
その節のそれまでの成績によって、予選最終日に1着や2着をとれば準優出できそうな選手が準優勝戦、さらに優勝戦に乗るためにスタート勝負に出る事をこういうわ。
・スタートの起こし
決まった位置からスタートをするときボートを一度、止めたような状態にしておいてからレバーを握りこむ事を起こしスタートというわ。また選手のコースが決まると、大時計に合わせてレバーを握ってスピードを上げて行く際のレバーを握った時の事でもあるわね。
・「今、キミは二つの道の別れ際にいて迷ってる」
フライングを犯して、慎重なスタートしか切れない波多野に対して、鮎川喜一が言った言葉ね。二つの道と言うのは、ひとつは慎重なスタートをして現在のB1級から落ちないようにすること。そしてもう一つはB2級に落ちることも覚悟の上でA級を目指すためにスタート勝負をするということよ。
・待機水面(たいきすいめん)
ピットアウトから2マーク小回り防止ブイ付近でスタートまでの待機行動のときにいる水面のことよ。
・フライング持ち
フライングによる事故点および出場辞退(フライング休み)があることをこういうわ。F持ちともいうわね。
・空中線
スタートラインと第2ターンマークの間にコースを横切る形で空中にロープが張られ、各々色の異なる組み合わせの小旗がつけられていて、これを空中線というのよ。正しくは空中標識線と呼び、スタートラインから5m、40m、内80-外85mの位置を示しているわ。空中線には、スリット線との距離を示す小旗がつけられていて80mを示す小旗は青と白。45mは黄と白というようになっているの。
選手の一般的なスタート目標となるけれど、選手は旗以外にそれぞれが独自のスタート目標を持っているのが普通ね。
・バックストレッチ
競走水面の中で、2つのターンマークを軸にして、正面スタンドの反対側の直線を「バックストレッチ」と呼ぶわ。これとは反対に正面スタンド側は「ホームストレッチ」ね。
・足の差
足とはモーターの性能のことをいうのよ。出足→伸び足→回りアシと表現するわね。つまり足の差というのはモーターの機力差ね。レースで重視されるのはピット離れのアシ。スローから中間速にかけての行きアシ。実戦で大きく差の出る回りアシはマイ足ともいうわね。
・先マイ
ターンマークを先に旋回する事。とにかく1マークを先に回る、という戦術。あるいはハンドル操作のことよ。そこから「差されるのを承知の上で先マイ」という風に表現される。
・今節(こんせつ)
1開催期間を「節」と言うのよ。4~6日が1開催期間となっていて、そのことね。
・連帯ラッシュ
1着や2着を連続して取ることね。
・記念常連
開設記念レースやダイヤモンドカップなどといったG1レースの出場常連選手の事ね。
・支部
日本モーターボート選手会の支部のことよ。全国に18の支部があるわよ。(群馬・埼玉・東京・静岡・愛知・三重・福井・滋賀・大阪・兵庫・香川・徳島・岡山・広島・山口・福岡・佐賀・長崎)の18ね。波多野は東京支部。青島は福岡支部ということね。
・捲り(マクリ)
2コースから外の艇が、全速で内側の艇を抑え込んでターンする戦法をこう言うわよ。アウトから一気に回り込んでイン側の艇を抑え込んで抜き去るというアウト艇の代表的戦術ね。スタートの遅いアウト選手はこの戦法は一生使えないわね。
・ゼロ台スタート
競艇選手の平均スタートタイミングは概ね0.23秒だということは前にも教えてあげたわよね。0.23秒の場合スタートタイミングは「23」と書いたり、いったりするわ。そこでゼロ台スタートというのは「09」、大時計が0になってから100分の9秒後までにスタートを切ったという、超すごいスタートということになるわね。波多野も新鋭戦でこんなスタートを切りながらなんていう事なのかしら…
・40日のフライング休み
フライング(スタート事故)が選手責任によるものと判定されると、その選手はすでに決まっているあっせんを消化した後、40日の間レースを自粛欠場することになるのよ。そして訓練所でスタートのテストを受けることになるわ。もちろん自費で行かなくてはいけないのよ。その一期(6ヶ月)の中でフライング1回の場合は自粛欠場40日。休みが40日もあっていいなぁ、なんてとんでもないお話でその間競艇選手は稼ぎがなくなるわけよね。同じ期内で2回もフライングを犯すとさらに60日の計100日自粛欠場なんておそろしいことになるのよね。※『2004年5月1日から「競走の出場辞退期間」がフライング1本目:40日→フライング1本目:30日へ変更となっています。』
・「B1級になってレースがふえた」
これは澄ちゃんの本音と建前が交じり合った微妙な発言ね。競艇選手は所属級(A1、A2、B1、B2)によってあっせんされるレースの日数やレースの格が変わるのよ。原則として、A級選手は月に15日、B1級選手は月に10日、B2級選手は月7日の斡旋が保証されているということらしいから、波多野もすこしは忙しくなったのね。頑張ってもらわないといけないわ。
・ペラ巧者
プロペラの加工、調整がうまい選手のことよ。
・エースペラ
選手の持っているプロペラのうち、自分にあっていて良い成績を残せている1枚を「エースペラ」と呼ぶのよ。新聞や専門紙の選手コメントで「今回はエースペラでいく」というような言葉を目にするわよ。
・ペラ小屋
プロペラを叩く小屋のことよ。ペラの加工は周りに迷惑をかける(結構うるさい)と言うことから郊外や倉庫街にペラ小屋を持つ選手が多いと言うことよ。
・出足(であし)
加速の良さを「出足がいい」「出足がある」というわ。加速のしやすさを左右するのがこの「出足」。車でいえばスローからセコンドギアあたりの回転域ね。また直線でのスピードを左右するのを「伸び(伸び足)」というわ。車でいえばトップギアに相当するわね。「回り足」はターンのしやすさ。しかし、競艇では普通6回のターンがあるから、単純にこれだけでは勝負はわからないのよ。
・イン逃げ
インコース(1コース)の選手が1マークで先手を取って最初にターンし、そのまま他を振り切ろうとする(1マークをトップで回り逃げ切る)戦法のことよ。この戦法で1着になる率も高く、ベテラン選手が多く使う戦法よ。
・ペラゲージ
使っているプロペラで好成績を残すことができたとき、そのプロペラの形を保存するためにプラスティクの板を加工して作るゲージをペラゲージというのよ。いろいろな局面に合わせたゲージを作っておき、プロペラを修正するときにその状況に合わせて使うのね。
・「40日と1週間ぶり」
波多野が和久井さんとはじめてレースをした後、憲二は40日のF休みとなり、そのあと1節の後に再会したからこんな言い回しになったのね。競艇選手特有かしら。
・平和島競艇場
東京都大田区が所在地となる波多野のホームプールといったところかしら。海に面しているわけではないけれど、京浜運河からの水を利用しているから海水となるのね。インが弱く、センターからのマクリ・マクリ差しが多いわ。2マークでは引き波が残るから逆転が多い水面となっているのよ。
・一番時計
岸本君が「6.25」と言っているのが、それね。今回は前検日の練習のタイムだと思うけれど、よく言われるのが「展示タイム」。これは展示航走2周目のバックストレッチの直線150mのタイムを表しているのよ。つまり一番時計というのはそれまでの計測タイムの中で一番早いと言うことだわね。これが全てではないけれどモーターの伸び足のよさの一つの目安になるわね。
・足あわせ
競艇のボートにはスピードメーターのようなものはついていないと言うのは、前にも教えてあげたわよね。つまり自分が周りと比べてどのくらいの早さなのかと言うのはなかなか分からないものなの。そこで選手は他の艇と一緒に走って早さを探るのね。これを足あわせと言うのよ。
・「伸びで負けた」
波多野が和久井さんと足あわせした時の言葉ね。伸びとは伸び足のことで、直線のトップギア状態に入った時の舟足のことね。この時の波多野は自分のモーター、ペラが絶好調だと思っていたから、まさかそれまで1着をとっていない和久井艇を抜けないなんて思っていなかったのよ。
・濃い顔のおじさん
今回登場のこの濃いキャラクターが、ペドロさんという予想屋のおじさんよ。競艇場内で、きちんと商売として、正式に営業している予想屋さんは、競艇場の規模にもよるけれど、それぞれ数十名はいるのよね。…予想屋さんがみんな濃い顔をしているわけじゃないわよ。
・整備巧者
ぺラ巧者と同じように、モーターの整備・調整のうまい選手の事をこう呼ぶわ。
・「それ以上の足に仕上げてくるわ」
準優をなんとか勝ち抜けて、優勝戦にコマをすすめた波多野だけれど、波多野はまだモーター整備やペラ調整が得意ではないわ。でも優勝戦に乗ってくる選手はペラ巧者・整備巧者が揃っているからいいモーターを当てたアドバンテージはなくなるのよ。
・「優勝賞金は200万」
競艇における優勝賞金は、一般戦の100万弱から上は賞金王決定戦の1億円まであるのよ。SGの優勝戦は最低でも4,000万円。G1の優勝戦が最低900万円。一般戦は1号基準で最低64万円(平成12年度)と言うことになっているらしいわ。
・びわこ競艇場
滋賀県大津市にあるわ。琵琶湖に面していて、プールは淡水よ。マスコットは「なまず」ね。
・女子リーグ
G3戦よ。登録16年未満の女子選手だけでおこなわれる競走になるわ。年間で20戦前後が各地で開催されて、成績上位者が年度末の女子王座決定戦(G1)に出場できるのよ。
・消波装置
水上を走ることは、まっすぐ走るだけであっても結構難しいのよ。波が思ったよりずっと走行に影響するからよね。ましてや、時速約80kmで水上を走って、旋回時にも激しい攻防戦を繰り広げる競艇ではますます波は厄介者だわね。消波装置は、ボートの走行の妨げになったり、プロペラが空回りして失速してしまったりする原因となる、この波をなんとか抑えることができないものかと開発、導入されたわけね。競艇場に設置されたのは20年以上前のことよ。ターンマーク付近の消波装置は、ターンマークと共に取り付けられていて、岸沿いは基礎を組み、取り付け金具で消波装置を設置しているわ。ターンマーク付近の消波装置は1段だけれど、岸沿いの消波装置は上下2段に積み上げられているのよ。それはなぜか?上下段とも、姿形は似ているけれど、実は上段は衝突時の衝撃を和らげる『緩衝装置』となっているのよ。『消波装置』はあまり注目されない地味な存在だけれど、レースにとって重要な役割を果たしている装置ということになるわね。
・碧南訓練所
愛知県碧南市にあるわ。スタート事故を起こした選手は自前でこの訓練所で再訓練・テストを受けるのよ。出場辞退(フライング休み)に重なるペナルティね。訓練所といっても、プールもあり、イベント施設でもあり、地域住民に宿泊してもらう公共施設として提供したりと多数の目的を兼ね備えた施設になっているようね。ちなみに、フライング・出遅れの選手の訓練日程は3日間で3日目にスタートテストと言うのがあるわ。
・「本場に入れてもらえン」
競艇選手のいう本場(ほんじょう)というのは、もちろん競艇場の事よ。競艇場での前検日は12時が受付締めきりとなっていて、遅れると…。競艇学校では、時間厳守ということが回想シーンでも出てきていたけれど、競艇選手は時間だけでなく、いくつもの規律を守らなければいけないわ。そういえば、モンキーターン制作チームの取材の時も「○×時には来てくださいね。時間厳守ですから。」と言われていたそうよ。
・周年記念レース
G1レース。競艇場の開設何周年というのを記念して行われるレースのことね。G1レースは原則としてA級選手だけが出場できるのよ。ほかに新鋭王座決定戦、女子王座決定戦、競艇名人戦、ダイヤモンドカップ、高松宮杯、モーターボート大賞などがG1レースね。アラ!周年記念レースじゃなくてG1競走の話になっちゃったわね。
・宮島競艇場
広島県佐伯郡にあるのよ。水面の遥か先はあの宮島・厳島神社という名所かしら。海の一角を区切っているため海水の水面は、満潮時は高くうねり、うねりが残ってマクリにくい水面となるようね。
・ダービー
正しくは全日本選手権競走というのよ。SG戦ね。『全日本選手権競走(ダービー)』は、前年の8月1日から当年の7月31日までの1年間での勝率上位選手(但し出走回数160回、A1級というのが条件)が出場できるわ。この期間の勝率が『ダービー勝率』と呼ばれ、7月末になるとボーダーライン上の選手は、今回の波多野のように『ダービー勝負駆け』となって、ダービー出場権を賭けて気迫溢れる走りをすることになるわ。勝率順で出場者が決まるダービーで優勝するということは、もっとも強い選手という証となるから、選手にとって思い入れが深い競走となっているわ。またSG戦初制覇という優勝者がでることも多いのよ。勝率上位選手以外でも、前年の競艇王チャレンジカップ競走、前年の全日本選手権競走の優勝者、その年の総理大臣杯競走、笹川賞競走、グランドチャンピオン決定戦、オーシャンカップ競走、モーターボート記念競走の優勝者は優先出場できるわ。
・勝ち点
着順点というのが正しいわ。『着順点』は選手がレースを走るたびに、その着順に対して点数を与えられるのよ。基本点は「1着10点・2着8点・3着6点・4着4点・5着2点、6着1点」となっているけれど、出場選手のレベルの高いG1レースは『1点増し』となるわ。ちなみにSGレースは今までは3点増しだったけれど、2004年5月1日から『3点増し→2点増し』と変更になるようね。なお、事故を起こした場合は、『選手責任(選責)』か『選手責任外(責外)』かによって異なってくるのよ。選責の場合は出走回数に含まれ0点となるので勝率を下げることになるわね、責外の場合は出走回数から除外されるわ。出走回数は選考期間内にレースに出場した回数のことよ。
・「転覆は勝ち点マイナス10だから」
マイナスといったのは事故点のことね。フライングと出遅れが20点、反則失格が15点、選手責任失格(転覆など)が10点として計算されるわ。
・複勝率
入着率ともいうわ。1着、2着でゴールした回数を出走回数で割り、パーセンテージであらわしたものよ。数字が大きい方が、1、2着に入った割合が多いことになるわ。前に話した(二連対率)と同じね。
・エースモーター
モーターは各競艇場で60機程度ずつ所有していて、その中で最もパワーのあるモーターを「エースモーター」と呼んだりするのよ。複勝率が40%を超えるものはいいモーターと言えるわね。
・ドリーム戦
G1戦。初日のメインレースのことよ。出走メンバーは全出場選手の中から記者やその開催施行者によって決められるわ。当然豪華なメンバーになることが多いわね。
・切り返し
外側の追撃艇がターンで内側に急ハンドルを切り、先行艇の内ふところを狙うテクニックのことよ。一発逆転の高度なテクニックだけに、危険も同居しているわね。
・道中
レース中のことや、開催期間中のことをよくこう言うわ。「予選道中」などという風にいったりするのよ。
・登録番号
「登番(とうばん)」といったりするわ。選手登録試験に合格した選手養成員(競艇学校の生徒のことをこういうのよ)は、その養成期の合格者全員を生年月日順に、登録番号の若い番号から通し番号が付与されることになるわ。そしてこれが選手をやめるまで使われるのよ。また、この番号はその選手固有の番号となるから、引退などしてその番号が使われなくなると欠番になるわ。2003年の93期で4269番までの登番となっているわね。
・2回走り(にかいばしり)
同じ選手が1日に2回レースに出走する事よ。
・「審査期間の最終日」
波多野が今狙っている全日本選手権競走(ダービー)の選考期間は8月1日(前年)~7月31日となっているから、最終日と言うのは7月31日のことよ。
・「ボーダーが下がった」
全日本選手権競走(ダービー)は勝率上位の選手に出場権が与えられると言うのは前にも書いたけれど、その勝率の当確ライン(得点率)が低くなったということね。
・総理杯(そうりはい)
総理大臣杯競走が正式名称よ。8つあるSG戦のうちのひとつね。優勝回数上位の選手、前年のSG、G1の優勝者が出場できるわ。(G1の新鋭王座と女子王座は開催年次の優勝者となってるわ)
・節イチ(せついち)
その開催で一番調子のいいモーターや選手などのことを言うわ。「今節一番」ということね。
・「ペラが開いたか?」
高速で回転するプロペラが水の抵抗の影響で、ねじれ(ピッチ)がなくなることをペラが開くというのね。こうなってくると推進力が少なくなり速度が出なくなってくるわ。
・賞金
近ごろレースでも勝てるようになってきた波多野の賞金を見込んで、波多野家の女性たちは波多野家の建て替えを目論んでいるようね。
・登番3000番代
選手登録番号3000番以前の登録は49期あたりまでになっているわ。40代から上くらいになるかしらね。
・オーシャンカップ
「オーシャンカップ競走」は、多くの競艇場が海水を利用しているということもあり、その海に対する感謝の意味を込めて作られた国民の祝日「海の日」を記念して創設されたSGレースよ。 前年のモーターボート記念競走からその年のグランドチャンピオン決定戦の優勝者、前年のオーシャンカップ競走の優勝者、過去1年間のG1競走の優勝戦出場者が出場できるわ。 はじめは海の日に優勝戦を合わせて開催していたようだけれど、最近は7月下旬から開催されることが多いね。
・グランドチャンピオン決定戦
SG戦。過去1年間のSG優勝戦の完走者、SG予選での得点上位者、前年のグランドチャンピオン決定戦、オーシャンカップ競走、モーターボート記念競走、全日本選手権、競艇王チャレンジカップ競走、その年の総理大臣杯競走、笹川賞競走の優勝者が出場できるのよ。選考期間内にSGに出場し、更に活躍した選手でなければ選出されないから、非常に豪華なメンバーになることが多いのよね。2001年唐津で行われた第11回大会で寺田千恵が女子レーサー初のSG優出を果たして(準優勝戦1着→優勝戦5着)、数多くのファンを感動させたことでも有名なのよ。
・モーターボート記念
SG戦。「モーターボート記念競走」と言うのが正しい名前でMB記念とも言うわね。開催場以外の23場からの推薦選手、開催施行者の希望、前年の全日本選手権、競艇王チャレンジカップ競走、モーターボート記念競走、その年の総理大臣杯競走、笹川賞競走、グランドチャンピオン決定戦、オーシャンカップ競走の優勝者から出場できるわ。全日本選手権競走と並んで、競艇界で最も古い伝統と格式を持つ大会よ。植木通彦は(モンキーターンの艇王・榎木のモデルはこの人だと思うけれど)、グランドスラム(8大競走全てで優勝すること、つまりは全SG制覇)まで残すはこのMB記念ただ1つだけという、前人未到の大記録達成へ期待がかかっているわよ。
・勝負服
勝負パンツじゃないわよ!。競艇のレース時にいちばん上に着ている艇番色をベースにした服のことね。この下にはカポックという救命胴衣兼防護服を身につけているわ。この勝負服は薄手の生地のように見えるけれど、艇番色の生地の下には耐切創性のためケブラー製の生地が入っているから、かなり固いようよ。
・戸田競艇場
埼玉県戸田市にあるのよ。ここは淡水で幅の狭い水面となっているわ。2003年の春にピットが後方に移動されたわ。このおかげでピット離れが重要になったようね。波多野がはじめてボートに乗ったのはこの戸田競艇場よ。
・枠順そのままの型
競艇は1~6号艇と番号順にピットに入るけれど、進入体形(スタートに向かうコース取りの艇の位置)もその順番のままのになることよ。「進入は枠なり」などともアナウンサーが言っているわね。
・自分の点数
勝ち点(着順点)のことね。出走回数で割ると勝率となるわね。
・試運転
プロペラやモーターを調整したあと、その調子・仕上がり具合を見ないといけないけれど、そのために艇を走らせることね。レース開催期間中もレースの合間に競技本部の許可(指示)が出れば試運転が出来るわ。
・待機行動
ピットを離れてからスタートするまでの艇の行動のことを言うのよ、これにはコース取りも含まれるわ。競艇では、1号艇から順番にコースに入るというわけではないのというのは前にも書いたけれど、選手が自由にコースを選択するというか、取り合うわね。しかし、この待機行動中の艇の行動方法には細かい規定があって、待機行動中に艇の先端が必要以上に振られたら蛇行として違反になったり、また内側や外側の艇の方に動いて邪魔するもの(転舵)も違反となるわ。
・メイチでスタート
目一杯のスタートということよね。目いっぱいというのはゼロ代スタートのことかしらね。
・「スロットルを握り返してきたんだ」
洞口オヤジが今回のダービーで波多野と走った時の1マークでのレバー操作の様子ね。一旦スロットルレバーを落として小回りするように見せかけスロットルを握り返したというわけね。旋回中にレバーを握って慣性により弧が膨らみ、波多野もろともアウトに流れたということね。
・「左足に荷重を移した」
こちらは、洞口オヤジが切り返してきた時に波多野が取った行動よ。旋回するということは、艇のサイドが(水に)かかり抵抗があって廻るから、少なからず速度が落ちるのだけれど、高速モンキーで旋回していた波多野はそのサイドのかかりを減らして速度が落ちない様にターンしたということね。
・展示タイム
レース前にボートやモーターの調子を見る(見せる)ため、全速力でコースを2周するのを展示航走というわ。その展示航走2周目のバックストレッチ(直線)の150mのタイムを展示タイムというのよ。タイムが早ければ、直線での伸びがいいということになるわね。展示航走が終わった直後に発表されるわよ。似ている数字で前検タイムと言うのがあるわね。これは前検日での同様のタイムよ。
・「ダンプミスで減点」
第16話での波多野との洞口オヤジのレースのことを山口記者がいったセリフね。ダンプができなかったから減点と言うわけではなくて、ミスしたその結果、不完走となったことで事故点10点、というところかしら。
・敬礼
競艇は礼節・上下関係を競艇学校で厳しく叩き込まれるため、身にしみ込むらしいわ。思わず敬礼してしまったのは、そのクセかしら。
・チルト角
ボートにモーターを取り付ける角度のことをこういうのよ。-0.5から1.5まで、0.5単位で調整できるわ。標準角度は1度。1度は滑走するボートの船底に対してほぼ直角で、プロペラの推進力が船底に平行に加わる状態になるわ。ここから1→1.5度とプラス方向に角度を変える(チルト角度を1→1.5とあげる)と、プロペラは上を向くようになり推進力は下向きに働く「直線での伸び」重視型、いわゆる伸び足がよくなるわ。モーターの伸びに不満があるか、イチかバチか勝負に出ようとしている時にこのようにプラス側に調整するようね。逆に0度の方向に角度を変える(チルト角度を1→0.5→0→-0.5と落とす)と、プロペラはやや下向きになり推進力はやや上向きに働くようになるわ。「出足と安定性」重視型ね。いわゆる回り足が良くなるようにするのね。モーターの伸びがよく、ターンでの勝負を決めようと思っている時はこういう調整になるわ。チルト角は展示航走が終わった直後に発表されるわよ。またこの調整はチルトアジャスタという五角形の小さなワッシャーのようなもので角度を変えるのよ。
・カド受け
スタートラインに対して、いったん後ろに引いてから思い切り助走してスタートする艇(大体、センターからアウトコース)のうち、一番内側のコースのことを「カド位置(または単にカド)」と言うのは前にも書いたわね。このカド位置に対してスロー勢(スタートラインに近い方からの発進)のいちばん外側の艇、要はカド位置の一つ内側のコース取りの艇のことをこう呼ぶわ。
・タッチスタート
スリット写真の0秒ラインにボートがかかっているようなきわどいスタートのことのことをこう呼ぶのよ。一つ間違うとフライングになってしまうわ。
・チャレンジカップ
競艇王チャレンジカップというのよ。その年の1月1日から10月31日までの獲得賞金上位者から選出された選手が出場できるのよ。11月末に開催され、年末の賞金王決定戦出場を賭けて争うSGという位置付けになっているわ。
・賞金王
SG戦。その年の1月~11月までの獲得賞金上位12名で行われる優勝賞金1億円の「賞金王決定戦」と、その12名を除いた13位から60位までの選手による「賞金王シリーズ戦」があるのよ。
・グランドスラム
競艇におけるグランドスラムと言うのは、SGレース8冠制覇のことよ。上に書いた賞金王シリーズ戦もグレードはSGだけれど、このレースは上位12名がいないレースだからグランドスラムには含まないわね。つまり総理大臣杯、笹川賞、グランドチャンピオン決定戦、オーシャンカップ、モーターボート記念、全日本選手権、競艇王チャレンジカップ競走、賞金王の8つを制覇すると言うことね。
・持ちペラ制
平成元年からプロペラは各選手個人持ちとなったのよ。これが「持ちペラ制」と言われているわ。選手は前検日に競艇場へ入る際には1人5枚まで持ちこむことができるの。これ以前は競艇場が用意するペラを使う「オーナーペラ制」だったのよ。
・「明日も、もうちょっと気温があがるかもしれない」
競艇は天候、気温、水温によってもモーターやペラを調整して戦う競技なのよね。だから競艇選手は天候、気温を気にするということね。
・モーターボート大賞
原則としてA級選手だけが出場できるG1レースよ。「モーターボート記念競走(SG)」とは別のレースよね。
・たばこ番
選手が吸うたばこを若い選手が用意するようだけれど、これをたばこ番と言うらしいわ。
・A2級に降格
A級の基準は二連対率30%以上、三連対率40%以上、事故率0.70以下で出走回数70以上で、そのうちの全国勝率上位20%がA1級の選手なのだけれど、波多野のライバル・洞口君は勝率を下げているようね。A1級のボーダーラインは6.1~6.2あたりになるようだけれど、これを下回るとA2級ね。ちなみにA2-B1級のボーダーは5.3~5.4あたりになるようよ。
・スーパーキャビテーション
ふつうキャビテーションというのは水の中の気泡によってプロペラが空転状態になり推進力がなくなること(「キャビる」というわ)をいうけれど。スーパーキャビテーションというのは流体力学で説明される効果の一種のことで、キャビるのとは別なのよ。物体や船体が高速の流体中を動くときに、その後ろに水蒸気の泡が生じることによって起きるわ。物体が気泡に絶えず包まれると,表面の大部分が濡れないまま保たれることになるわ。この結果,水の粘性によって生じる摩擦抵抗が劇的に減ることになり,速度を上げられるのよ。これを可能にしたのが洞口親子が作った楔形の洞口スペシャルと言うことね。
・裏開催
SGレースなどグレードの高い、大きなレースの開催中に他の競艇場で一般戦が開催されることや、その一般戦のことよ。グレードの高いレースの方が観客の関心も高いから、目の前のレースよりも場内で中継のSG戦の方に足が向くのよね。だからスタンドの観客もまばらになるという寂しい状況になるわ。
・グラチャン
グランドチャンピオン決定戦のことよ。第15話の豆知識を見てね。
・「絶対ヘンだよソレ」
洞口雄大が青島優子のヘルメットデザインを見て思わず言ったせりふね。ちなみに青島さんのヘルメットのデザインはペンギンよ。ペンギンといえば、宮島競艇場で用意している(ヘルメットの破損時などに選手に貸し出せる)ヘルメットの柄がペンギンだそうよ。でもこれはペンギン柄が貸し出し用という意味ではなくてアライヘルメットの既成デザインにこれがあるようね。(でも青島さんのようなクチバシの大きな絵ではないわよ。)また、この『ヘルメット』は、落水や転覆など事故の際に、選手の頭や顔を衝撃から守るために競艇専用として開発されたフルフェイスタイプのもので、競艇選手しか購入することができないことになっているわ。「バイク用ヘルメット」などと違う点は非常に軽いこと、視界を妨げないよう前面の窓の部分がかなり広くなっていること。また、曇り止めのための空気孔やモーター音を判断するための通音孔が開いていることね。頭頂部にある通気口(ダクト)はオプションよ。
・本場(ほんじょう)
以前も少し書いたけれど、競艇で言うところの「本場」というのは競艇場のことよ。「本場」とかいても「ほんば」とは言わないのよ。
・「本場に入ると電話できなくなる」
競艇選手は、競走開催の前検日から開催終了の管理解除までは専用の宿舎に泊まり、また外部との連絡は一切禁止なのよね。つい最近も、通信機能付の電子手帳を持ち込んだために、管理規定違反で1年間の出場停止!という処分を受けた選手もいるほど厳しい決まりなのよ。
・破門
通常の情報交換をしあうペラグループなら、破門なんて言葉は聞かないと思うのだけれど、波多野は古池さんの弟子という立場だから「破門だ!」なんていわれてしまうのよね。ペラグループといっても色々な形態があるのね。
・蝋人形館(ろうにんぎょうかん)
波多野が青島さんと行った東京タワービルの3Fにあるのよ。1970(昭和45年)の開館よ。展示されている蝋人形は、蝋人形館発祥の地、ロンドンの工房から直輸入したものらしいわ。2001年にリニューアルし、「20世紀を飾った人たち」をテーマに国内外で活躍した人物が追加されているのよね。世界中のろう人形館でもここにしか展示されていないロックミュージシャンの蝋人形は必見よ。
・レコードタイム
各競艇場におけるコースレコードということね。競艇は600m×3周となっているけれど、水面の広さ、水面の状況、風、などの違いもあるから、それぞれの場での記録ということになるわね。ちなみに、やまと競艇学校の卒業記念競走のレコードタイムはこの春94期卒業記念競走での「1分47秒1」というのが、記録となっているようね。
・「もっと寒くならないとダメだろ」
燃料と空気の混合比や水とペラの関係で、水温、気温が低いほうが速度を出しやすいということらしいわね。
・選手登録証
前検受付の時に、選手はこの登録証を提出(預ける)しないと出場できないのよ。自動車の運転免許証の不携帯だと運転してはいけないのと同じね。
・ダイヤモンドカップ
G1レースよ。競艇場の施設リニューアルを記念して行われるレースよ。以前は「施設改善記念」と言っていたけれど、平成9年4月1日からこの「ダイヤモンドカップ」という名称になったのよね。
・「3号艇がキャビって前を塞いでいる」
全日本選手権、2日目第6レースでの1周1マークの攻防で、大外から波多野が差そうとしたときの眼前の状態ね。「キャビる」という言葉は前にも書いたけれど「キャビテーション」といってモーター(プロペラ)が気泡で空転してしまい失速することよ。今回の場合は、1マークに密集した艇団の後続の3号艇がこれにハマッてしまい波多野の前を塞いだということだわね。
・「競艇に中止順延はありません」
競艇は、雨でも、雪でも開催されるのよ。中止になるのは、強風・台風の日や、大雪・落雷なんかで?

■サブタイトル

・第1話/ナンバーワンになる!
・第2話/競艇場であおうぜ!
・第3話/デビュー戦だぜ!
・第4話/弟子をとらない理由(わけ)?
・第5話/このジジィ ぶち切れてやがる!
・第6話/いくぜ 新鋭リーグ!
・第7話/一番大切なこと…
・第8話/一年ぶりだなあ…
・第9話/お前なら、勝てる!
・第10話/プロペラたたかせてくれよ!
・第11話/オレは挑戦者!
・第12話/本当の本気になって
・第13話/勝負駆け!
・第14話/ここは退かねえ!
・第15話/さすがSG!
・第16話/やる気だ!
・第17話/ついに優勝戦!
・第18話/でかい目標ってなんだ?
・第19話/洞口がきたっ!
・第20話/また会えないかな?
・第21話/なんで私…
・第22話/打つ手はある!
・第23話/こんなところで終われない!
・第24話/優勝戦進出へ
・第25話/勝ちます!

■関連作品

・モンキーターン V

■主題歌・楽曲

・OP1
・ココロが止まらない
・作詞/三枝夕夏
・作曲/大野愛果
・編曲/小澤正澄
・歌/JEWELRY

・ED1
・光と風と君の中で
・作詞/高岡亜衣
・作曲/大野愛果
・編曲/池田大介
・歌/高岡亜衣

・ED2
・君を飾る花を咲かそう
・作詞/AZUKI七
・作曲/中村由利
・編曲/古井弘人
・歌/GARNET CROW

■同じ年に公開された作品