作品基本情報 [事務局独自調査]
ゲドセンキ
ゲド戦記
- ■公開メディア
- 劇場
- ■原作メディア
- 小説
- ■公開日
- 2006年07月29日 ~ 0000年01月01日
- ■配給会社
- 東宝
- ■分数
- 115分
- ■話数
- 1話
- ■原作
- アーシュラ・K. ル=グウィン
- ■監督
- 宮崎吾朗
- ■制作
- ・制作/スタジオジブリ
- ■著作
- © 2006 Studio Ghibli・NDHDMT
作品詳細情報
■ストーリー
西海域の果てに棲む竜が、突如、人間の世界に現れた。そして、それと呼応するかのように、各地で作物が枯れ、家畜が倒れていく。世界の均衡が崩れつつあった。災いの源を探るゲドは、旅の途中、国を捨てた王子アレンに出会う。心に闇を持つ少年は、得体の知れない“影”に追われていた。二人は、都城ホート・タウンにたどり着く。そこでは、人身売買が行われ、麻薬が蔓延し、売っている物はまがい物ばかり。表面的には陽気で騒々しかったが、行き交う顔からは実在感が失われていた。街をさまようアレンは、謎の少女テルーを人狩りの手から救い出すが、彼女は少年を拒絶する。
――世界に兆す災いの背後には、クモと呼ばれる男がいた。“死ぬこと”を誰よりも怖れるその男は、かつてゲドと戦い、そして敗れた大魔法使いだった。
■解説
この時代をどうやって生きていけばよいのだろうかと考えていたとき、「ゲド戦記」の企画が始まった。
2003年に完結した「指輪物語」、先頃第2章が公開された「ナルニア国物語」と並ぶファンタジー文学の傑作と言われている「ゲド戦記」。宮崎駿監督は「ゲド戦記」の古くからのファンであり、「風の谷のナウシカ」から「ハウルの動く城」に至るまで、大きな影響を与えてきたという。その映画化に対しては、多くの関係者が原作者アーシュラ・K.ル=グウィンに打診するも断られており、もちろん宮崎駿監督もその一人だった。
そして20年の歳月が流れ、ジブリ作品が海外でも評価を得たころ、逆にル=グウィンからオファーが…しかしその当時、宮崎駿監督は「ハウルの動く城」の製作中だったため、プロデューサーの鈴木敏夫は、息子の宮崎吾朗を起用し製作を決定、2006年の公開に至るという経緯がある。父・宮崎駿監督作品にはあまり見られない色遣いや世界観など、比べながら見るのもおもしろい。
本作品は、原作と少々内容的に異なる部分があり、その最たるものが冒頭の「アレンの父殺し」ではないだろうか。このシーンにおいてはやはり紆余曲折があったようで、最終的にプロデューサーの鈴木が、近年の痛ましい少年犯罪を鑑み「今の時代を考えると、息子が父を刺すほうがリアルだ」と発案し、吾朗監督が取り入れたと言う。吾朗監督のそれに呼応するかのように、「自分の存在を曖昧にしか感じられないのならば、他者の存在も希薄にしか感じられないのは当然で、減らない自殺や理由なき殺人の増加は、その象徴に思えます。そうしたことを目の当たりにしながら、私たちはこの時代をどうやって生きていけばよいのだろうかと考えていたとき、映画「ゲド戦記」の企画が始まりました。」と吾朗監督は語っている。
本作が初監督作である宮崎吾朗を支えるように、脚本は「海がきこえる」の丹波圭子が共同で執筆し、音楽は「半落ち」など数多くの映像音楽で才能を発揮する寺嶋民哉が担当した。
父を殺して旅立つアレンには、「TokyoTower」「木更津キャッツアイ」シリーズ、「陰日向に咲く」など、どのような作風でもその演技力を遺憾なく発揮する岡田准一があたり、本作ではアレンの2面性を見事に演じ分けた。 アレンと共に旅をする大賢人ゲドには、「妖怪大戦争」「バッテリー」等、数多くの映画やドラマに出演している菅原文太。 そして、アレンとは少々不幸な出会い方をしたものの、最後には真の名で呼び合うようになったテルーの声と歌には手嶌葵。ジブリ作品では「紅の豚」がお気に入りで、何度も何度も鑑賞していると語っている。彼女の澄み切った歌声は、6月に公開された「西の魔女が死んだ」の主題歌「虹」でも聞くことができる。
※金曜ロードショー公式サイトより引用
■キャスト
・アレン/岡田准一
・テルー/手嶌葵
・クモ/田中裕子
・ウサギ/香川照之
・テナー/風吹ジュン
・ハジア売り/内藤剛志
・女主人/倍賞美津子
・王妃/夏川結衣
・国王/小林薫
・ハイタカ(ゲド)/菅原文太
■メインスタッフ
・原作/アーシュラ・K・ル=グウィン(『ゲド戦記』)
・原案/宮崎駿(『シュナの旅』)
・監督/宮崎吾朗
・脚本/宮崎吾朗、丹羽圭子
・作画演出/山下明彦
・作画監督/稲村武志
・作画協力/アニメトロトロ、中村プロダクション、スタジオたくらんけ、スタジオコクピット、オープロダクション、動画工房、竜の子プロダクション、GAINAX、ufotable、Production I.G、MADHOUSE、GONZO、DR MOVIE
・美術監督/武重洋二
・音楽/寺嶋民哉
・色彩設計/保田道世
・デジタル作画監督/片塰満則
・映像演出/奥井敦
・録音演出/若林和弘
・整音/高木創
・効果/笠松広司
・整音監修/井上秀司
・編集/瀬山武司
・プロデューサー/鈴木敏夫
・協賛/アサヒ飲料
・制作/スタジオジブリ
・制作進行/齋藤純也、石井朋彦、伊藤郷平、仲澤慎太郎、橋本綾
■メインキャラクタ
・アレン
エンラッドの王子。立派な両親の元で何不自由なく暮らしていたが、その自由に耐え切れなくなり国を出る。
・テルー
顔に火傷の痕の残る謎の少女。かつて両親から虐待を受け、捨てられた。
・クモ
永遠の命を手に入れるため、開けてはならぬ生死両界を分かつ扉を開けてしまった魔術師。ゲドに恨みを持っている。
・ウサギ
クモの手下のリーダーで、人狩りを生業としている。小心者だが、クモの力をかさに着て傍若無人に振舞う。
・テナー
ゲドの昔なじみ。夫に先立たれた後は女手ひとつで農園を営み、今はテルーと二人で暮らしている。
・ハジア売り
生きることの意味を失ったアレンに近づき、麻薬の一種のハジアをすすめる。
・女主人
まがい物ばかり売っている生地屋の主人。
・王妃
アレンの母。アレンを厳しくしつける。
・国王
エンラッドの国王にしてアレンの父。賢王の誉れ高い。
・ハイタカ(ゲド)
アースシーでもっとも偉大な魔法使いで「大賢人」と称される。世界の均衡が崩れつつあることを察知し、災いの源を探るたびに出る。
■主題歌・楽曲
・TM1
・時の歌
・作詞/新居昭乃、宮崎吾朗
・作曲/新居昭乃、保刈久明
・編曲/寺嶋民哉
・歌/手嶌葵
・IN1
・テルーの唄
・作詞/宮崎吾朗
・作曲/谷山浩子
・歌/手嶌葵